ユーロの2通貨化が起こる?
先月はギリシャでの財政緊縮法案の採決をめぐり、ユーロが下落する場面が見られました。6月21日のパパンドレウ政権の信任、同28日の緊縮財政法案可決、同29日の関連法案の可決、EU財務相会合を経て、ギリシャへの87億ユーロの融資が決定しました。また、IMFは8日の総会で33億ユーロの融資を決定するとみられます。
これにより市場は落ち着くかと思われましたが、ギリシャの第2次支援を巡って格付け機関のS&Pは民間の金融機関が国債のロールオーバーとした場合はデフォルトと見なすとの見解を示し、他の格付け機関は態度を保留にしているものの、楽観的な見通しはありません。
それどころか、今週に入りムーディーズがポルトガル国債を「Ba2」に一気に4段階引き下げ、見通しも「ネガティブ」としたことでギリシャ以外にもリスクがあることが再認識された格好となりました。ギリシャ、ポルトガル以外でもイタリア、スペインなどの南欧の国に財政危機が波及する可能性が高まっています。
ユーロ圏の中でもドイツやフランスがギリシャなど南欧諸国にエクスポージャー(価格変動リスクにさらされている資産)を抱えていますし、南欧諸国から見ると、ユーロによりドイツの輸出競争力が増したとの見方があります。ドイツはユーロの信用を保つためにも支援が必要と考えていますが、一方でキリギリスのような生活をしてきたギリシャに支援をする必要がないとの国民感情もあります。
いずれにしろ、ギリシャをユーロから追い出してしまえば済む話でもなくなっていますし、現状の体制を続けるのも南北の経済の格差から現実的ではないようです。統一通貨ユーロの発足時から、金融政策が一つで財政政策は別々では無理があるとの指摘がなされていたことから、それほど遠くない将来、ドイツを中心としたユーロの第一グループ、スペインを中心とした第2グループ等に分かれていくのではないかと思います。統一通貨ユーロも別の名称で2つに分裂し、金融政策も2つに分かれるのではないかと思ってしまいます。